主人公はメスのアカアシガメ (Red-footed tortoise, Chelonoidis carbonaria)、
マヌエラ (or マニュエラ, Manuela) さん。
家族の証言によれば今から30年以上も前の1982年、家のリフォーム時に失踪してしまいました。
リフォームの作業員がドアを開けっ放しにしていたため、
おそらくマヌエラはそのドアの隙間から外へ逃げ出してしまったのだろう、と家族は思っていました。
しかし、マヌエラの行動はそういった人間の合理的な考えを無視したものでした。
マヌエラは外に出る代わり、ガラクタ収集を趣味とする父親、
レオネル・アルメイダ (Leonel Almeida) さんの2階の物置部屋に入って行ってしまったのです。
そしてここから (自爆による) 長い監禁生活が始まりました。
床も見えないほどガラクタが山積みされている強烈に散らかった部屋です、
そこにはレオネルさん自身さえ、なにがあるのか把握できていなかったことでしょう、
まして生きているカメがそこに紛れているとはつゆ思わなかったことでしょう。
そして2013年1月、父のレオネルさんは亡くなりました。
監禁生活にピリオドを打つ瞬間が近づいてきました。
家族は重い腰を上げ、父の物置部屋を片づけることにしました。
しかし、そのときさえ家族にマヌエラは発見されることはありませんでした。
30年ぶりの再会は隣人からの何気ない一言だったようです。
父のガラクタ整理をし、ゴミをまとめて外に出していた
レアンドロ・アルメイダ (Leandro Almeida) さんは隣人から声をかけられました。
「カメも一緒に捨てちゃうの?」と
たった今運んできた古いレコードプレーヤーの入った箱の中をマヌエラさんが
ノソノソと歩いているではありませんか。
いくら絶食に強い傾向のある爬虫類といえど30年間飲まず食わずは不可能、
おそらくはシロアリを食べていたのではないか、と推測されています。
家族を失い悲しみに暮れたアルメイダ家、それもつかの間、
思いもかけず30年前に失踪した家族の再会に大喜びだったそうです。
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